だってBだから

へんなおじさんたちのブログ。

Wednesday, May 30, 2007

今月読了した本

池田晶子「人生のほんとう」
池田晶子「人間自身 考えることに終わりなく」
池田晶子「14歳からの哲学」

池田晶子は今年2月23日に腎臓がんで亡くなった文筆家。享年46歳である。昨年12月から日本経済新聞の訃報欄をスクラップしているのだが、年齢が自分に近いということで興味を覚えた。たまたま駿河台下の三省堂本店に立ち寄った時、亡くなった直後ということで、池田晶子のコーナーが設けられていた。そこで手に取って読んでみたら、これがおもしろく、思わず3冊も購入してしまった。

辻原登「円朝芝居噺 夫婦幽霊」
落語が好きである。といってもたまにしか寄席に足を運ばない。直近は、今月23日に上野の鈴本に寄ってから出勤したが、その前というと昨年9月16日に新宿の末広亭に行った時まで遡らなければならない。落語は当然ながら噺家の話を生で聴くに限るのだが、本になったものを読んで愉しむことのできる噺もある。岩波文庫で円朝の「牡丹灯籠」が出ている。これは面白いなんていうものではない。物語が緻密に組み立てられ、全体の話を通して読んでも、部分部分を抜き出しても、面白いのである。「夫婦幽霊」は書いたものが残されていないが、円朝晩年の傑作と言われる伝説の噺である。この辻原の作品は、その伝説の噺の速記録が発見されたという物語である。私は「牡丹灯籠」しか読んだことがないが、円朝は天才落語家だと思った。辻原の作品は「夢からの手紙」という短編集しか読んだことがないが、やはり上手い文章を書く人だと思う。いわば、この作品は名文家が名噺家の作品を創作したようなものである。読みながら、思わず唸ってしまう箇所がいくつもあった。

2 Comments:

Blogger ePisu said...

そうですね、彼女は、亡くなってしまいましたね。佳人薄命というか・・。3年前、43の時、「41歳からの哲学」を読みました。

Friday, June 01, 2007 11:11:00 AM  
Blogger NK said...

池田晶子は読んでみようかと思って読んでないです。まあほとんどの本がそうだけど。最近読むっていっても仕事に関わるのばっか。そうか面白いのか。一種学者ではないところがよさそうなんだけど。中島義道なんて怒りに燃える人の学者離れしたのも悪くなかったけど。(NK)

Thursday, July 05, 2007 10:21:00 AM  

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