だってBだから

へんなおじさんたちのブログ。

Tuesday, December 26, 2006

カリブの海賊(Dead man's chest):NK

なにぶん映画館ではなくて飛行機で見たのでこんな映画を見ちゃいました。ストーリーには何の中身もなくて、そもそもディズニーランド展示の「ステレオタイプ」な海賊なるものをストーリーにしたわけだけど、一発目が当たったので二発目なんでしょうね。しかし、これは三発目につながらないと終わらないようになっており、シリーズ化決定のようです。映画としては特撮のレベルが高いと思う。たこの化け物のねっとりしたところなんて(欧米人はねっとりが嫌い)、よくやるねってくらい。もぐっていた帆船が海の上に浮かび上がるシーンとか意外な展開が画面としては実にリアルで素敵でした。つくづくストーリーは何もないが・・・。ディズニーランドで乗り物に乗っているのと同じ感覚。それのすごい版。ただ、痛感したのは、米国カルチャーというか価値観への違和感。というのは、男が女を追いかけるなかで、自分がいればこの船のかなりの人数が殺されることを感じながらも正義が自分にある限り戦うところとか、女ができるだけ多くを助ける為に仲間をだましてしばるところとか、イラクでもなんでもそうなんだけど「ある程度の仲間の被害は自分が正しいとこでは当然であり、多少の問題は正当防衛であって目をつぶる」ところがストーリーにかなり明示的に示されたように感じた。ディズニー映画っていうのは、いわゆるPolitically incorrectな映画といわれていて、女性が白馬の王子を待つストーリーとかピーターパンではインディアンがおかしな描かれ方をしたとか批判されたが(ポカホンタスで取り返そうとした?)、新しいタイプのIncorrect-nessな気がする。英米的には受け入れやすいんだろうけど、大陸欧州とか日本ではちょっとこういうの、ストレートに受け入れてはいけない気がする・・・。海賊はそれでいいけど、まっとうな人はもっとまっとうに判断をするべきではないのか・・・・?次回にご期待?!男と女が黄泉の国に自分がいけにえにした船長を探しに行くらしいよ。いやはや、アメリカ外交のことじゃねーだろうなぁ。

フラガール:NK

久しぶり。フラガールは良かったです。常磐ハワイアンセンターができるときのフラダンサー誕生秘話で炭鉱夫の家族の女性たちがダンスを学んでプロとして踊るようになるということで、昭和40年の思い出とか松雪のダンスの先生の演技とか成長物語としての面白さとかあるんだけど、まず何よりも無駄なカットがない!ことが良かった。松雪演じる元SKDダンサーのフラの先生が、誰もいない練習場でひとりで踊るシーン(それを3人が影から見ていて感動して真剣に練習するようになる)、次に女子高生が同じ踊りを練習してかなりうまくなってから、反対していた母親が偶然それを見かけるシーン、最後に同じ娘が晴れ舞台でまた同じ踊りを衣装をつけて踊るシーン、それがすべて同じ振り付けであり、うまさが際立って分かりとても良い。練習シーンと本番シーンのモノトーンな色調と本番舞台のド派手なカラーとの色のコントラストも際立っているし。そもそも炭鉱のくすんだ色合いの中でダンスの先生の派手な登場、踊り始めるけど悲惨なドサまわりの色合い、最後のハワイアンセンターこけら落とし(っていうのか知らないが)の総天然色!って感じの色合い、計算されたその変化が良かった。生徒が先生をひきとめるために駅のホームでメッセージを踊る(送るのではない)ところとかも映画ならではだし、ボタ山の風景も福岡出身者としては懐かしいし。ボタ山といえば福岡の三池炭鉱は三井グリーンランドという遊園地になった。ハワイアンセンターだったら良かったのに・・・。